Salonアルハルとは、岡山で活動していたアーティスト「Artificial Hallucination」(アーティフィシャル・ハルシネーション)のHiroshi†がプロデュースする隠れ家風のサロンです。「アルハル」として親しまれ、2008年から幅広い表現活動を行っており、音楽・映像・写真・絵画・オブジェ・舞台演出と、多岐にわたる作品を創り出してきました。現在は無期限休止中ですが、その感性と美学が集約されたこのサロンでは、来館していただいた皆様に独自の世界観を体験して楽しんでいただけます。
※注意。『Free!』というアニメ作品の用語であるアルハルとは全く関係ありません。また、アルハラやアオハルと間違えないようにお願いいたします。
サロン内の魅力とコレクション
Salonアルハルの館内には、館主Hiroshi†が自ら制作また収集した作品や、支援者から寄贈されたアート作品が多数展示されており、ここでしか見られない多様な表現が楽しめます。以下のような特徴的なコレクションとサービスを提供しています。
- アブサンコレクション
Salonアルハルでは、約300種類以上のアブサンを取り揃えており、専門的なコレクションを楽しむことができます。この所蔵数は西日本でもトップクラスであり日本全土からはもちろん海外からのお客様も来館されます。アブサン特有の深い香りと味わいが、サロン内の芸術的な空間に彩りを加えています。またお酒だけでなく、オリジナルブレンドの紅茶や珈琲といったソフトドリンクにもこだわり、手作りカレーも提供しており、味覚と芸術を融合した時間が楽しめる場です。
なぜ「サロン」なのか
Salonアルハルは、一般的なカフェやバーとは異なる「サロン」という位置づけに特別な意図があります。日本国内で「サロン」という言葉は、ネイルサロンやエステサロンのような美容系の店舗で使われることが多いため、多くのお客様が「ここはバーではないのですか?」と尋ねます。しかし、アルハルが目指すのは、単に飲食を楽しむ場ではなく、フランスなどの上流社会で行われた「サロン文化」を現代に甦らせることです。
サロンの本来の意味
サロンはもともと、貴族やブルジョアの夫人が日を定めて客間を開放し、文人や芸術家、学者を招いて文化について自由に談話する場でした。文学や芸術、学問など幅広いテーマについて意見を交わし、新たな発見と交流を生む場所として機能していたのです。Salonアルハルでは、そうした社交の伝統を基に、芸術と対話が交差する場を提供しています。
Salonアルハルのビジョン
Salonアルハルは、ただのバーやギャラリーではなく、クリエイティブな表現者と芸術を愛する人々が集う「客間」であり、「応接間」です。Hiroshi†の選び抜かれた作品が並ぶこの空間は、アーティストやディレッタント(芸術愛好家)にとって、自身の作品や想いを共有できる場であり、また訪れた人々が新しい視点や刺激を得ることができる交流の場です。
- アーティストのための展示・発表の場
Salonアルハルは、アーティストが自分の作品を披露し、観客と直接対話できる貴重なプラットフォームです。作品の展示だけでなく、ライブパフォーマンスやワークショップを通じて、さまざまな表現を共有する機会を提供します。 - ディレッタント(愛好家)のための社交の場
芸術に興味がある方、表現に触れることが好きな方にとって、Salonアルハルは知識や体験を共有し、共鳴し合うことができる社交場です。静かな空間で、他の愛好家たちとリラックスした雰囲気の中で会話ができ、新たなインスピレーションを得ることができます。
感謝の言葉
Salonアルハルを支えてくださるパトロンの皆様、そして訪れてくださる全ての皆様に深く感謝申し上げます。Hiroshi†と共にこの空間を愛し、応援してくださることが、Salonアルハルの存在意義そのものです。ここでしか味わえない時間と空間を、皆様と共に大切に育んでいきたいと願っています。
Salonアルハル館主
アブサンとは
ニガヨモギを主体としたアニス、フェンネルなどのハーブを主成分とする蒸留酒で、「緑の妖精」とも呼ばれます。このお酒は18世紀末にスイスで誕生し、19世紀にはヨーロッパ全土で広まり特にフランスで人気を博しました。多くの芸術家や作家に愛され、パブロ・ピカソ、アルチュール・ランボー、ポール・ヴェルレーヌ、ヴァン・ゴッホなどがアブサンを愛飲していたことで有名です。アルコール度数が非常に高く(通常は40〜70%)、その独特な香りと強い苦みと甘みのバランスが特徴です。
アブサンの飲み方として伝統的な「ドリップスタイル」があります。冷水をゆっくりとアブサンに注ぐことで香りや味を引き出す飲み方で、特に19世紀のフランスで広まりました。この方法では「アブサンファウンテン」(専用給水器)や「アブサンスプーン」などの専用道具を使い、視覚と味覚の両方でアブサンの変化を楽しむことができます。
ドリップスタイルの手順
- アブサンの注ぎ方
まず、アブサン専用のグラスに、適量(約20〜30ml)のアブサンを注ぎます。アブサングラスは、冷水の分量を見やすくするための目盛りが付いているものもあります。 - アブサンスプーンと角砂糖をセット
グラスの上に穴の開いたアブサンスプーンを置き、その上に角砂糖を乗せます。これは、甘みを加えてアブサンの苦味を和らげるためです。 - 冷水をドリップする
アブサンファウンテンを使って冷水を少しずつ角砂糖の上から垂らします。ファウンテンがない場合は、ピッチャーなどから冷水をゆっくりと注ぐこともできます。水が角砂糖を溶かしながらアブサンに落ちると、徐々にアブサンが白く濁り始め、これが「ルーシュ現象」と呼ばれるものです。 - 水とアブサンの比率を調整
通常、アブサンと水の比率は1:3から1:5ほどが推奨されますが好みの濃度で大丈夫です。水を加えることでアルコール度数が下がり、ハーブの風味がまろやかに引き立つため、飲みやすくなります。 - 香りと味わいを楽しむ
水を加えたアブサンは香りが引き立ち、冷水によってハーブの爽やかな香りが広がります。アブサンの複雑な風味を味わいながら、独特の視覚的な美しさの変化を堪能しつつ、ゆっくりと楽しむことがこのスタイルの醍醐味です。
アブサンのユニークな特徴:ルーシュ現象
アブサンの飲み方には、冷水を少しずつ加えるという特徴があります。水を加えると、透明だったアブサンが白く濁ります。アブサンが白く濁る理由は、冷水を加えた際に起こる「ルーシュ現象」によります。この現象は、アブサンに含まれるハーブの精油成分、特にアニスやフェンネルの中に含まれる「アネトール」という化合物によって引き起こされます。
ルーシュ現象の仕組み
- 精油の溶解性
アブサンは通常、高いアルコール度数で保存されており、このアルコールによってアネトールなどの精油成分が完全に溶けて透明な状態を保っています。しかし、アネトールは水にはほとんど溶けません。 - 冷水を加えると起こる変化
アブサンに冷水を注ぐと、アルコール度数が急速に下がり、アネトールが溶けきれなくなります。すると、精油成分が微細な油滴として液体の中に分散し、光がこれらの小さな油滴に反射・散乱されるため、アブサンが乳白色に濁るのです。この現象が「ルーシュ現象」と呼ばれ、アブサン特有の視覚的な楽しみの一つとなっています。 - 風味の変化
冷水によってアブサンが白く濁るだけでなく、香りも豊かに広がり、味わいがまろやかになるのも特徴です。ハーブの香り成分が際立ち、苦みが抑えられるため、飲みやすくなります。
他のアニス系リキュールでも見られる現象
このルーシュ現象は、アブサンだけでなく、ウーゾ(ギリシャ)やラク(トルコ)、パスティス(フランス)といったアニスを含むお酒でも同様に見られます。
禁止と再解禁の歴史
かつてアブサンは「幻覚を引き起こす危険なお酒」とされ、20世紀初頭には多くの国で禁止されていました。その主な原因は、アブサンに含まれる「ツヨン」という成分が精神に影響を与えると信じられていたためです。しかし、その後の研究で、通常の量のツヨンでは幻覚などの影響はほとんどないことがわかり、現在ではツヨンの量が管理された安全なアブサンが製造されています。
日本人とアブサンの出会い、そしてその関係について
アブサンが日本で知られるようになったのは、19世紀後半から20世紀初頭、明治時代の開国によって西洋文化が日本に流入した時期にさかのぼります。当時、フランスを中心とするヨーロッパ文化が日本に多く紹介され、その中には洋酒やアルコール文化も含まれていましたが、アブサンのようなスピリッツはまだ馴染みが薄く、日本での普及には時間がかかりました。アブサンが日本に根付くまでには、いくつかの時代の流れと変遷があり、現代の日本人との関係は特別なものとなっています。
1. 初期の西洋文化とアブサンの伝わり方
明治時代以降、文学や絵画の分野でヨーロッパの芸術家が日本に紹介される中で、アブサンもその存在が少しずつ知られるようになりました。フランスの詩人や画家がアブサンを愛飲していたことが紹介され、文学や美術作品の中で「緑の妖精」として登場するアブサンが、日本の一部の知識人や芸術家に知られるようになります。
当時の日本人には「禁断の飲み物」というイメージが強く、実際にアブサンを飲むことは一般的ではありませんでしたが、その妖しい魅力と芸術との結びつきが、日本の文化人の間で興味を引きました。
2. アブサンが日本で広まる過程
20世紀に入り、特に21世紀初頭になると、日本でのアブサンの認知度が少しずつ高まります。特に2000年代にアブサンが再解禁されると、ヨーロッパやアメリカで再び人気が広がり、その波が日本にも届きました。また、日本のバー文化が発展する中で、独特の風味を持つアブサンは「大人の嗜み」として扱われるようになり、特にアブサンのルーシュ現象が日本人の間で人気を集めました。
バー文化の隆盛に伴い、日本のバーテンダーたちはアブサンを使ったカクテルや創作飲料を開発し、その結果、日本におけるアブサンの飲用スタイルが独自に発展し始めます。ルーシュ現象の美しさやアブサンの香りが、日本人の美意識や味覚に合い、アブサンは一部の愛好家たちに「特別な体験をもたらすお酒」として親しまれるようになりました。
3. 国産アブサンの登場と日本文化との融合
近年、日本のクラフトスピリッツの流行や、地元産のハーブや植物を活かした製造が注目される中、日本国内でもアブサンの製造が始まるようになりました。国内の蒸留所がアブサンを製造し始めたのはごく最近のことですが、日本独自の素材を使用することで、フランスやスイスとは異なる新しいアブサンが誕生しています。
- 日本産のハーブ:例えば、柚子やシソ、山椒、昆布、桜などの日本特有の香りをアブサンに取り入れることで、和の風味が加わり、日本人にとって親しみやすいアブサンが生まれています。こうした国産アブサンは、国内の料理や食文化にもよく合い、日本の食卓や和食と共に楽しむという新しいスタイルを提案しています。
- 地域とクラフトスピリッツの結びつき:国産アブサンの製造には、各地域の素材や伝統が活かされ、地域経済にも貢献する形となっています。特にアブサンに必要なニガヨモギなどのハーブを日本国内で栽培する取り組みも進み、日本独自のクラフトスピリッツとしてのアブサンがさらに注目されています。
国際市場での評価と展望
国産アブサンは、品質の高さや独自性により、海外でも注目を集める存在になっています。日本の伝統や美意識を反映したアブサンは、ヨーロッパやアメリカをはじめとするクラフトスピリッツ市場で高い評価を受け、国際的なアブサン愛好家たちにとって新たな魅力を発信する存在となっています。
- 輸出拡大と海外の人気:日本産のアブサンは、欧米を中心に珍重されており、特にアニスやフェンネルにシソや柚子などの和風の風味が加わった独特なフレーバーが高く評価されています。海外市場でも日本の「繊細で丁寧なクラフトマンシップ」が評価され、今後の輸出が期待されています。
- 新たな飲み方やスタイルの提案:国産アブサンは、日本酒やウイスキーのように、国内外の消費者に幅広い飲み方を提案しています。冷水を使った伝統的なルーシュスタイルだけでなく、カクテルのベースや和風の材料と合わせたオリジナルレシピが開発され、アブサンの新たな楽しみ方が広がっています。例えば、焼酎割、緑茶割、熱燗などがございます。
最後に:国産アブサンの未来に向けて
国産アブサンは、日本ならではの素材と技術によって、その独自の風味と高い品質で、新たなファン層を引き寄せつつあります。日本のクラフトスピリッツの一部として、また世界のアブサン市場で注目される存在として、これからもその発展が期待されています。
「緑の妖精」として長い歴史を持つアブサンが、日本の職人技によってさらに進化を遂げ、新たな価値を生み出しています。国産アブサンの未来には、伝統を重んじつつも、今の時代にふさわしい持続可能な製造や新たな飲用シーンの提案など、豊かな可能性が広がっています。ここで体験したアブサンの魅力が、皆様にとって新しい発見や楽しみとなり、アブサンが未来へと続く物語を紡ぐきっかけとなることを願っています。
【当館の歴史】
2018年9月1日 Salonアルハル設立。
2019年5月 キリン 極上生ビール アワード宣言店受賞。
2020年10月 「serial experiments lain 2020 eXhibition」応援。
2020年12月 【ホラー漫画の鬼才・伊藤潤二×怪談界の巨匠・稲川淳二】ホラー界の夢のコラボ!! 「Wジュンジ 恐怖の朗読会 『路地裏』」応援。
2020年12月30日 クラウドファンディング「岡山の貴重なアンダーグラウンド空間 Salonアルハルの存続へ」終了。
支援者数63人。支援総額 666,666円。
2021年05月30日 クラウドファンディング「岡山の隠れ名店。cloud9&Salonアルハル限定コラボ紅茶を皆様に届けたい」終了。
支援者数 27人。支援総額 249,000円。支援全額CLOUD9へ寄贈。
2021年6月 コミュニティ「岡山アブサン専門アートバー。Salonアルハルの活動コミュニティを応援したい!!」公開。
2021年6月8日 関西テレビ「ちゃちゃ入れマンデー」番組放送にて当館写真を紹介。
2021年8月20日 アルハル館主スタッフ協力。自主制作映画『Octane Quality』(オクタン クオリティー) ゆうばり国際ファンタスティック映画祭 インターナショナル・ショートフィルム・コンペティション部門入選。
2021年9月23日 毎日放送(MBS)「よんチャンTV 」のコーナー「これから来―るJAPAN」番組にて当館写真を紹介。
2021年10月20日 「岡山県飲食店感染防止対策第三者認証店」承認番号0997に登録。
2021年11月4日 週刊誌「女性自身」 2021年11月16日号のコロナ対策欄に紹介。
2021年11月28日 クラウドファンディング「【続くコロナ経営難】岡山Salonアルハルの存続と新事業展開を応援したい!!」終了予定。
支援者数24人。支援総額 237,000円。
2021年12月10日 『ガラージュ:完全版 for Mobile』制作プロジェクト応援。
iOS : apple.co/3IGg5oY
android:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.SmokymonkeyS.garage
対応言語:日本語 英語(2022年初頭中国語対応予定)
価格:610円。
2021年12月13日 岡山市北区表町火災発生。当館Salonアルハルは、運よく難を逃れる。
2022年02月22日 岡山県産の豚肉を使用した辛口オリジナル缶詰『妖缶〜CHILI SOY SAUCE PORK〜』 Salonアルハル館主プロデュース。
2022年03月10日 Salonアルハル・オリジナルビール第1話「LILITH」シュバルツヴァイツェンボック、Salonアルハル館主プロデュース。
2022年06月 Salonアルハル・オリジナルビール第2話 ベルジャンストロングエール「RESONANT」、Salonアルハル館主プロデュース。
2022年06月 少女病 ラストアルバム「真典セクサリス」制作プロジェクト応援。
2022年07月 yαsυ l 巴波重工 様。夏、工作、酒場にて。 / Friday Night Bar -怪人酒場-にて、当館をご紹介いただきました。
2022年08月 あるまソフト サバイバル・パニックホラーゲーム「狂獣島」開発応援。
2022年10月 TOMO SAKURAIコラボ Salonアルハル・オリジナル黒ビールシリーズ第1章『Betty』リリース。
2022年10月 死に続ける少女と、滅亡世界を旅する絶望ノベルアドベンチャーゲーム
『一緒に行きましょう逝きましょう生きましょう』PlayStation4&Nintendo Switch移植プロジェクト応援。
2022年 ホラーゲーム「Shadow Corridor 2 雨ノ四葩」開発応援。
2022年10~11月 交通事故の被害にあい一時、開館を制限する。
2023年4月~2024年11月 館主、隣店関係の要因による精神的な体調不良により一時休館。
2024年12月 Salonアルハル再開。
2024年9月 オリジナルチョコレート累計販売数300枚突破。
2024年10月 クラウドファンディング「チェコのボヘミアガラスを使って日本国内で和のウランガラスを製作したい」企画補助。
…and more.