Music

d降りやまない雨を見ながら ふと
止まったままの錆びた掛け時計が気になった
6時26分を差したまま
もう踏みつけられることもない時の流れに侵食され
喋りたいことは全て吐きだしたかのような時計
この抜け殻にも いずれ雨が忍びこむ
全てが濡れて いつか思い出も流されていく
それでもやまない雨の音のなかに
私はいつまで座っているのだろう……
そろそろ 仕事をしないと--
まとわりつく湿気のために 手足がうまく動かない
灰色の景色 時々光る 雨の反射
静かなようで ここはいつも音に満たされている
降りしきる雨と 流れる水 それから
私の息遣いと もういない君の まばたきの音……
広げたスケッチブックはまだ 真っ白のまま